2013年09月19日

読書の秋にお薦め1冊

『旅に出よう 世界にはいろんな生き方があふれてる』 
読書の秋にお薦め1冊近藤雄生 著  岩波ジュニア新書(2010年)

世界を旅した紀行文はたくさんありますが、この本は開発教育という視点からとらえても大変興味深く面白い本だと思います。
岩波ジュニア新書は、中学校や高校に通う若い世代を対象に書かれていますが、一般の人でも十分に楽しめます。

20代、社会に出たばかりの近藤さんが、奥様とともに、オーストラリアを起点として、東南アジア、中国、中央アジアの国々を経て、ヨーロッパ、アフリカを回り、日本に帰国するまでの5年間の旅の中で、目にしたこと・体験したこと、そして感じたことのほんの一部(だと思います)を紹介してくれています。

この本に書かれていることは、開発教育の分野で伝えたいと思っている、そんな世界の現状そのものなのです。
ビルマからタイへ難民として逃れ、そこで学んでいる若者たち。彼らの多くは「学ぶ」ことの素晴らしさを感じ、いつか母国のために活躍したいと願っています。
情勢不安のチベットから亡命した人たちが一番たくさん暮らしているのは、ヨーロッパではスイスだということも初めて知りました。

近藤さんは、旅先でその国の言葉を学び、その地で暮らす人たちに直接会って、彼らの想いを聞く、ということから始めています。
彼らとの触れ合いが、「世界にはいろんな生き方があふれてる」という副題になったのでしょう。自分とは違う生き方、異なる価値観をどう受け止めるか、という問題の一つの答えだと思うのです。そしてそれを、若い世代に伝えたいと思っているのだと感じます。

優しい語り口で気軽に読むことのできる一冊です。読書の秋に、ぜひ!emoji52



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